(1)明治以降の教授書、教科指導論等の文献を調査することにより、板書やノートといった、文字言語を媒介する学習具・教具がどのように意義付けられ、実践の中で利用されようとしてきたかを歴史的文献的に明らかにした。黒板、掛図等は一斉指導の道具として使用されたが、一方、児童の学習の際、文字言語を使う機会が明治初期一旦減少する。しかしながら、石盤の普及、洋紙価格の低下に伴う練習帳の普及等により、文字を介する学習の機会が増加した。 (2)TIMSSビデオ(IEA国際教育到達度評価学会が実施した第3回国際数学・理科教育調査(TIMSS)の一環として、撮影された日本、アメリカ、ドイツの第8学年の数学の授業のビデオデータベース)を用いて、学習・教授メディアとしての文字言語の側面から分析を行った。黒板の機能、OHPの機能、生徒がノートに書き込む内容において差異がみられた。 (3)アメリカ・ジョージア州アトランタのチャーター・スクール3校を訪問し、授業における文字言語の役割を観察した。 (4)日本の小中学校5校を訪問し、授業における文字言語の役割を観察した。
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