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2002 年度 実績報告書

韓国の在地エリートに関する社会人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510332
研究機関東京大学

研究代表者

本田 洋  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50262093)

キーワード韓国・朝鮮 / 在地エリート / 吏族・郷吏 / 場所への帰属 / 歴史 / 伝統 / 父系血縁 / 社会人類学
研究概要

本研究の目的は、近現代韓国社会における在地エリートが、近代化、植民地支配の介入、ならびに産業化・都市化の過程で、自らの社会組織と文化伝統をどのように再編成し、さらには地方社会の公的な領域にかかわる諸活動をどのように展開してきたのかを、社会人類学的な観点から究明することにある。本年度は、研究代表者が収集した全羅北道南原地域の在地エリート関係資料、なかでも吏族結社関連文書の解読と整理・分析を行うとともに、吏族出身の地方有志のライフヒストリーを採集し、彼らの生活世界において、吏族の歴史や伝統がどのように位置づけられているのかを探った。その結果として、朝鮮時代末期から植民地期の1930年代にかけて、今日吏族の専有物として位置づけられているような文化伝統の囲い込みと再編成が進められ、その過程で一種の土着性と呼びうるような場所への帰属が再構築されていった点、ならびに今日の吏族出身有志にとっては、父系血統意識と父系血縁集団の重要性がそれを凌駕する形で高まっている点が明らかになった。それと併行して、朝鮮後期から解放後にいたる時期における在地エリートの動向を把握するための基礎的な資料となる地誌類のデータベース化を進めた。また、対照事例として、全羅南道霊光地域の吏族結社について予備的な調査を行った。同地の吏族結社は、16世紀初頭以来の長い歴史をもち、創設当初以来の関連文書が極めて良好な状態で保存されている南原地域の事例と比較することで、吏族結社や吏族集団の動向についての地域的な多様性を把握することが可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 本田 洋: "韓国の村と町"地理. 48・3. 14-20 (2003)

  • [文献書誌] 本田 洋: "地域社会と儒教-南原地域の中小両班と吏族の事例から-"アジア遊学. 50. 2-16 (2003)

  • [文献書誌] 本田 洋: "書評:岡田浩樹著『両斑-変容する韓国社会の文化人類学的研究』"民族学研究. 67・3. 342-346 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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