研究概要 |
1 研究実施内容: (1)日本国内における、インドネシアを始めとする東南アジア産の伝統染織の流通ルートと販売形態について、東京都内のデパートおよび各種展示スペース、京都府京都市および岡山県倉敷市内のギャラリー、小売店などにおけるインタビュー調査および観察調査を実施した。 (2)日本の消費者に対して、インドネシア産の伝統染織が喚起するイメージの形成過程と染織品の実際の用途について、大宅壮一文庫雑誌記事索引検索ウェブ版を利用し、「アジアの手仕事」「アジアン雑貨」といったキーワードを含んだ記事が日本の各種雑誌に増加してきた過程を調べたほか、東京都現代美術館図書室、リビングデザインセンターOZONE情報バンク(デザインライブラリー)において、総合雑誌、女性向け雑誌、インテリア雑誌などのバックナンバーを閲覧し、インドネシア産染織品の取り扱い頻度、表象の仕方などについての経年的変化を分析した。 (3)インドネシア国内における、インドネシア産の伝統染織の販売形態と、消費者の嗜好については、(2)との比較検討の観点から、インドネシア国内で発刊されている女性雑誌『her world』1年分の内容を分析し、自国内の伝統染織やそれを取り入れたモードの提示について検討した。 以上の調査から得られた知見については、暫定的な分析結果を以下の機会に発表した。 2 研究成果の発表: 1.「日本の中のアジア、アジアの中の日本-「手仕事」をめぐる表象と消費」日本民族学会第37回研究大会、京都文教大学、2003年5月24日。 2.「Aesthetics of Decontextualization : Southeast Asian Textiles in Japanese Homes」3^<rd> International Convention of Asian Scholars (ICAS3),シンガポール,2003年8月22日。 3.「威信とファッション」文部省科学研究費補助金特定領域研究、「資源の分配と共有に関する人類学的統合領域の構築・認知と加工」班研究会、沖縄大学地域研究所、2003年9月11日。
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