研究概要 |
(1)雑誌記事における「アジアの布」「アジアン雑貨」の表象分析 昨年度までに収集した資料および今年度新たに追加した資料をもとに、インドネシアを始めとする東南アジア産の伝統染織およびその他の手工芸品を扱った雑誌記事の一覧を作成した。表象分析の成果は、雑誌論文(「日本の中のアジア、アジアの中/外の日本-手仕事の文化横断的消費をめぐって-」『文化共生学研究』3号、2005年)として発表した。 (2)インドネシアの伝統染織生産地の衣服文化における伝統染織の位置づけの分析 スイス・バーゼルの文化博物館およびオランダ・ライデンの王立言語文化研究所(KITLV)において、所蔵のテキスタイルコレクションと写真コレクションの調査を実施した。 上記調査の成果、公刊されている出版物所収の写真などの分析、さらに1991年以降の現地調査の成果を踏まえて、オランダ植民地化以降の日常着・礼服を含む衣服文化の変化を検討し、その中で伝統染織が占める位置づけを考察した。 この内容は、「インドネシア伝統染織の生産と消費-cross-cultural consumptionの事例として」と題して口頭発表を行った(国立民族学博物館・東京大学東洋文化研究所共同研究「アジア染織業にみるアイデンティティと国際ネットワーク」研究会、2004年7月24日、国立民族学博物館)。 (3)インドネシア国内における伝統染織のファッション化 昨年度実施した女性雑誌の内容分析を踏まえ、インドネシア国内の都市中間層にとっての伝統染織の意味付けとグローバルファッションの影響について考察した。このテーマについては、2005年7月12日〜15日に開かれる第4回Jurnal Antropologi Indonesia国際シンポジウムにおいて「Local handicrafts, national dress, and global fashion : Production and consumption of Indonesian hand-woven textiles」と題した口頭発表を行う予定である。(アブストラクト受付済)
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