研究概要 |
グローバリゼーションが進行する現在、近現代の人種主義に関する思想・言説やこれらと関連する政策、社会への影響等に関する研究の必要性が認識されており、文化人類学分野のアプローチが不可欠である。人びとの性向や特徴をめぐる言説と人種主義や海藻の拡大との関連に関する分析も、緊急の課題とされている。本研究はこうした研究課題のもとに、第一に古代以来の人相学の系譜、第二に魔女学文献の系譜、第三に骨相学の系譜、第四に優生学の系譜を検討してゆく。本年度は、第三、第四の課題を中心に研究実施計画に基づいて以下の作業を進めた。 1.第一次および第二次資料のリスト作成を行い、特に入手困難と思われるものから順に発注し、古書店から稀資料Combe, Notes on the United States of North America, Vol.I, II, Philadelphia : Carey & Hart,1841を得ることができた。 2.2001年度までに蓄積した情報・資料の整理・分析として、主として19世紀の医療関係者が残した骨相学関連資料を整理・検討した。 3.第二次資料・専攻研究の収集と分析として、最近注目を集めている人種観念や優生学関連の文献を収集し分析に着手した。発注・入手資料は、Ryan, F. X. ed. Darwin's Impact : Social Evolution in America,1880-1920,3Vols. : Goulboume, H. ed., RaceandEthnicity : Critical Concepts,4Vols. : M.バーリー『人種主義国家ドイツ1933-45』刀水書房、2001年などである。 4.レビューおよび情報収集として、本年度は、多くの先住民が生活してきたアメリカ中西部の集住地において現在の状況や先住民をめぐる諸活動に関する資料を収集した。調査値は、ニュー・メキシコ州タオス・プエブロ、サンタフェのMuseum of Indian Arts & Culture(Laboratory of Anthropology), Acoma Pueblo、アルバカーキーのIndian Pueblo Culture Center,コロラド州メサ・ヴェルデ国立公園などである。収集資料は、Bahti, Mark, Pueblo Stories & Storytellers, Rio Nuevo Publishers,1996;Hall, B. A. ed., Gifts of Pride and Love, Haffener effer Museum of Anthropology, Brown University,200などである。
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