平成15年度は、2年度目調査として、重要無形民俗文化財に指定された以下の民俗芸能を対象に、その現状確認調査を実施した。 (1)聖霊会の舞楽(大阪府大阪市)昭和51年5月4日指定(昨年度に続いての再調査) (2)京都祇園祭の山鉾行事(京都府京都市)昭和54年2月3日指定 (3)市来の七夕踊(鹿児島県市来町)昭和56年1月21日指定 (4)車大歳神社の翁舞(兵庫県神戸市)平成12年12月27日指定 (5)三河万歳(石川県金沢市での全国古典万歳大会で調査)平成7年12月26日指定 (6)越前万歳(同上)平成7年12月26日指定 (7)尾張万歳(同上)平成8年12月20日指定 (8)豊橋神明社の鬼祭(愛知県豊橋市)昭和55年1月28日指定 (9)アイヌ古式舞踊(札幌市のインカルシペアイヌ民族文化祭で調査)昭和59年1月21日指定 これらの確認にあたっては、それぞれの指定時における芸能概要説明と、実際の公開状況を比較するとともに、可能な限り地元関係者からの情報収集を行い、指定後の変化等につき調査した。その結果本年度調査した上記9件の芸態等に関しては、指定時以降の著しい変容は認められず、総じて指定時の価値がよく保たれていることが確認できた。一方公開環境については、指定後の知名度上昇等により地元以外の観光客等の増加が総じて認められ、一部それに対する体制整備の遅れなどから、公開現場に混乱が生じたケースも確認された。また、京都祇園祭の山鉾行事の調査に関しでは、雨天のため予定していた行事が中止になる状況であったので、来年度以降補足調査を実施する予定である。 なおこれらの調査にあたっては、現状記録の一環としてデジタル写真及びデジタルビデオ等の撮影を行うとともに、関係資料の収集に努めた。
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