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2003 年度 実績報告書

摂関家九条家の成立と展開に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510345
研究機関北海道大学

研究代表者

三田 武繁  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (50241279)

キーワード日本中世貴族社会 / 家格 / 摂関家 / 五摂家 / 九条家 / 九条家文書
研究概要

本研究は、1273年の九条忠家の関白就任によってようやく摂関家としての家格を確保するに至った九条家に注目し、家格の秩序によって構成されていた中世貴族社会における家の成立とその継承のありかたを解明しようとするものである。今年度はまず、現在宮内庁書陵部に所蔵されている同家伝来の大量の史料群(「九条家本」と略称)や上記課題に関する鎌倉時代中・後期の未公刊史料の調査・収集・整理作業を前年度から引き続いておこない、さらにそれらの史料の分析・検討作業を進めた。その結果、第一に、摂関への補任を望む九条忠家やその子忠教が自ら直接鎌倉幕府や朝廷中枢部に働きかけていることを示す数点の史料を見出し、それらの史料において、彼らが自らの家系を藤原兼実以来の九条流の「嫡流」と称し、九条流の長男の家系であることをもって摂関就任の妥当性の根拠としていることを確認した。第二に、鎌倉時代中・後期における貴族間の昇進争いに注目することにより、それらの事例から昇進を決定する諸要因を抽出するとともに、当該期の貴族社会においては、各家の家格に応じた官職に就任することが家の継承(もしくは家の存続)の前提の一つである、と意識されていたことを確認し、このことと第一の点から、官職という公的な制度と家という私的な制度との相互依存性が中世貴族社会の特質の一つであるという見通しを持つに至った。第三に、貴族社会において必要とされる朝廷の諸行事に関する知識や先例についての記録類が「九条家本」に多数含まれていることは前年度の調査によって明らかとなった事実であるが、それらの記録類が作成された時期に注目すると、鎌倉時代に作成されたものであると特定もしくは推定されるものがその大半を占め、中でも忠教の在世中に作成された特定もしくは推定されるものが比較的多いことが判明した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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