1 大和の中世関係史料の調査・収集が研究の基礎となるが、未刊行史料の把握に努めた。とくに山田家と中村家所蔵の福智院家文書の調査、収取を行い、同文書を簡便に利用するための、さらにデータベースを作成するための基礎作業を行った。一乗院関係文書(京都大学)、奈良県立奈良図書館郷土室所蔵史料、水木氏旧蔵史料(天理市)などについても調査を進めた。 2 一部の未刊行史料について、紙焼きからのコピーという形で史料収集を行った。 3 分担を決めて、各種の活字史料から大和の武士、武士団を拾い上げる作業を行った。骨格となるデータを蓄積するために『大乗院寺社雑事記』、『奈良県史 11 大和武士』、『角川日本地名大辞典 29 奈良県』の検討からはじめたが、どのレベルまでデータをひろうかは案外難問である。能率をあげるために、定期的に会合をもち、情報交換を行った。一部は大学院生を作業の補助に動員して行った。 4 武士の館跡などの現地調査を行った。最近の中世史は、考古学の成果を無視しては成り立たない。重要な史跡の発見が相次いでおり、現地説明会などに参加した。大和最大の武士であった筒井氏の居館跡の発掘がタイミング良く行われたのは、われわれの研究には大変有意義で、多くの示唆を得た。 5 どのようなデータベースにするかという点の検討を進めた。
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