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2004 年度 実績報告書

ハンセン病者についての歴史社会学研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510356
研究機関滋賀大学

研究代表者

阿部 安成  滋賀大学, 経済学部, 助教授 (10272775)

キーワードハンセン病 / 隔離 / 社会史
研究概要

平成16年度は、国立療養所多磨全生園と高松宮記念ハンセン病資料館(東京都)、国立療養所松丘保養園(青森県)、国立療養所菊池恵楓園と熊本近代文学館(熊本県)、国立療養所大島青松園(香川県)などで資料の調査と収集をおこなった。
高松宮記念ハンセン病資料館では、前年度に続いて、全国の療養所の実態とそれぞれの療養所における刊行物についての網羅的な調査にくわえて、館員と資料展示をめぐる意見交換をおこなった。
熊本近代文学館では、すでに開催を終えた「ハンセン病と文学展」の関係資料の閲覧と、書庫の調査、担当学芸員からのヒアリングをおこない、ハンセン病をめぐる文学の全体をみわたす調査をおこなった。それをもとに、菊池恵楓園と大島青松園では、園内で刊行された自治会等の機関誌と文芸書などの所蔵調査と資料撮影をおこなった。両園での調査をとおして、これまでかならずしも全国的に知られていなかった療養所内での文芸・文学活動が把握できた。なかでも、大島青松園におけるキリスト教の信仰とかかわる文芸・文学活動の考察は重要である。
上記の調査をとおして、これまでの歴史学・社会学における調査や研究では、ハンセン病にかかわる文芸・文学の分野が未開拓であり、その領域での研究が必須であることを確認した。この領域での研究をすすめることにより、ハンセン病の発症により国立療養所に隔離された人々を、たんに隔離政策の客体としてとらえるのではなく、療養所のなかでどのようにみずからを主体化していったのかという論点を示すこととなる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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