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2002 年度 実績報告書

日米開戦外交のクロス・アーカイヴァル研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510368
研究機関静岡県立大学

研究代表者

森山 優  静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (60295566)

キーワード暗号解読 / インテリジェンス / 日米開戦 / 日本海軍 / アメリカ国務省 / 軍事史 / 外交史 / イギリス外務省
研究概要

本年度の経過は以下の通りである
(1)基礎作業として、当該期のアメリカ国務省文書(Records of the U.S. Department of State relating to Political Relations between the U.S. and Japan 711.94シリーズ)の目録をデータベース化した。この作業の結果、同シリーズ中の外交電報のファイリング状況が確認できた。
(2)日本側が解読した暗号電報を現存する史料から収集整理し、アメリカ国務省文書・イギリス外交文書と照合した。この結果、日本側が解読した電報で上記シリーズに含まれているものは僅かしかないことが判明した。
(3)上記作業に加え、日本側が解読して残存している解読電報から、当該期の日本の暗号解読能力を推定した。
(4)PRO(イギリス公文書館)における調査
イギリスが当時発信していた外交・軍事情報電報を中心に収集した。その結果、相当詳細な軍事情報(欧州戦線における英国側の損害等)が駐日イギリス大使館宛に打電されていたことが確認された。
これらの成果の一部は、2002年12月、暗号研究会(神戸大、大阪大、京都大の国際政治学研究者を中心とする研究会)において「日米開戦直前の日本(海軍)の暗号解読状況について」と題して報告された。
その概要は日本海軍は量(推定約45%)質(最強強度のもの)ともにかなりの程度まで米国国務省の暗号を解読して外交政策決定の参考としていた可能性が高い。このような観点からインテリジェンス研究のさらなる深化が期待できる。ただし研究への応用の際には実証的に厳密な手続を経る必要があり、安易な政治過程との接合はミスリーディングの危険性が高い。というものである。
これらの作業の結果、研究の進展のためには、アメリカ国務省文書のさらなる精査とオーストラリア、オランダ等の外交電報の調査収集が必要なことが確認された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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