研究概要 |
本年度は、当初の計画にしたがって、以下のことを行った。 1.ノルマン征服(1066年)以前、すなわち、アングロ・サクソン期のイングランドの統治システム・統治組織を重点的に調査した。 2.中世イギリス、シチリア、フランスの統治システムに関する文献・史料の蒐集を行った。これは主として、書籍の購入、史料・論文などの複写によるものだが、ヴァティカン図書館には12世紀のマニュスクリプト(手書き文書)のスライド作成とCD作成を依頼した。 3.10月から12月にかけて、ローマとケンブリッジで研究調査、研究報告を行った。研究報告の題目は、以下のとおりである。 ・"The Norman Court of Sicily : A Crossroads of Greek, Arabic and Latin Cultures" (Rome, American Academy in Rome, October 24,2002): ・"The Norman Administration of Sicily and Southern Italy : Reconsideration of its Historiography and Perspective" (Rome, American Academy in Rome, November 11, 2002); ・"The Meeting of Cultures in Sicily"(Cambridge, Cambridge Univ., November 28,2002) 4.データベースの操作、史料情報の整理を効率的に行うために、プログラムなどを購入して、コンピューター環境を整備した。 来年度は、ノルマン征服後、王権がノルマンディとイングランドの両方を統治していた、あるいは、両者の統治が密接な関係をもっていた時期を重点的に調査する。
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