1.二年間計画の第一年次である今年は、研究成果の中間報告を兼ねて、国際研究者交流に重点を置いた活動を展開した。 2.まず、2002年7月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催された、第十三回国際経済史学会に出席して、セッション8"International 0rder of Asia in the 1930s and 1950s"を組織した。イギリス、アメリカ合衆国、日本からの計12名の共同研究者とともに、1930-50年代のアジア国際秩序を、イギリス帝国史、アジア経済史の両方の観点から再考した。現地アルゼンチンやチリの研究者とも意見交換を行った。 3.次いで、2002年12月に京都で、米国・テキサス大学教授のトニー・ホプキンズ氏と、英国・LSE教授のアントニー・ハウ氏を招いて、グローバリゼーションとイギリス帝国史研究をめぐる国際ワークショップを開催した。 4.さらに、2003年3月に、中華民国(台湾)台北の中央研究院(Academia Sinica)を訪問して、研究セミナーにおいて"From Global History to Imperial History"と題する報告を行うとともに、林満紅氏らとアジア国際秩序に関する共同研究を議論した。 5.その他、東京大学総合文化研究科や、熊本大学文学部、九州国際大学経済学部などでグローバルヒストリー・セミナーを開催した。 6.1930年代のアジア国際秩序に関して、日本学術振興会研究成果公開促進費の援助を得て、名古屋大学より著書『イギリス帝国とアジア国際秩序』(2003年2月)を刊行した。
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