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2004 年度 実績報告書

戦間期ソ連の一国社会主義体制と極東亡命ロシア人社会との相互関係の史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510417
研究機関東京都立大学

研究代表者

中嶋 毅  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70241495)

キーワードソ連 / 歴史 / 亡命者 / 知識人 / ハルビン
研究概要

本研究は、1917年の十月革命に反対して内戦に参加し、のちにハルビンに亡命したロシア知識人のソヴィエト・ロシアに対する政治的態度の転換過程をあとづけ、彼らによるソヴィエト権力承認とソ連体制への協力がソ連の一国社会主義体制の形成過程に及ぼした影響とその歴史的意義を、同時代の文献資料に基づいて実証的に明らかにすることを目的とした。平成16年度には、研究費補助金を用いてロシアに出張し、ロシア連邦国立文書館において中東鉄道理事会の未公刊文書の調査をおこなった。また同学術図書館およびロシア連邦国立図書館において、ハルビンで刊行されたロシア語定期刊行物の調査収集を実施して、在ハルビン亡命知識人に関する情報を収集・分析した。さらに研究費補助金を用いて研究文献を購入するとともに、ロシアの図書館から文献複写物を購入し、亡命知識人の具体的活動の諸相を追求した。
上記の作業を通じて、ハルビン在住ロシア人の知的活動の具体的様相と、同時代のソ連社会主義体制にかんする彼らの理解の一端とを、一定程度明らかにした。とくに、ハルビン在住知識人の中でソ連体制に協力する代表的存在であったN・V・ウストリャーロフのソ連国家観について考察し、研究論文として発表した。この作業とあわせて、ハルビンのロシア人社会を維持するうえで必要不可欠であったロシア人教育のあり方を、高等教育に焦点を当てて検討した。その過程で、中ソ国交回復後にソ連勢力が浸透したハルビンにおいて、亡命社会とソ連勢力とのあいだに重層的な関係が形成されたことを明らかにした。その成果の一部は、平成16年3月に開催された北海道大学21世紀COEプログラム研究会において「ハルビンのロシア人教育」と題して口頭報告をおこなった。また、その内容の一部を論文として発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ハルビン工業大学の歴史-中国にあったロシア人高等教育機関2005

    • 著者名/発表者名
      中嶋 毅
    • 雑誌名

      人文学報(東京都立大学) 第357号

      ページ: 1-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ナショナル・ボリシェヴィズムとソヴィエト国家2004

    • 著者名/発表者名
      中嶋 毅
    • 雑誌名

      ロシア史研究 第74号

      ページ: 30-40

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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