研究課題
基盤研究(C)
本研究課題の目標は、ロベスピエールの言説がジャコバン独裁期の人びとにどう受容されたのか、を検討することにあった。この課題を遂行するため、研究期間中に計3回渡仏し、国立古文書館、パリ市歴史図書館などに所蔵されている手稿 史料の調査と蒐集をおこなった。その間、これらの史料蒐集の成果をも背景に、ジャコバン独裁期におけるロベスピエールの言説の構造とその歴史的機能について分析し、その意味を文化的観点から論じた「ロベスピエールとフランス革命--文化現象としてのロベスピエールの言説--」(『思想』938)や、革命前後の王の身体表象に焦点を当てて王政から共和制への移行の問題を論じた「フランス革命と王権--王の身体表象の変化を中心にして--」(「岩波講座 天皇と王権を考える2 統治と権力』岩波書店)、さらに権力と儀礼・象徴行為というテーマに関わる近年の研究をサーヴェイした「儀礼・象徴行為と権力関係」(『現代歴史学の成果と課題1980-2000年I歴史学における方法的転回』青木書店)を公にした。また、すでに刊行を待つばかりの論考として、ルイ16世のイメージ、とくにその動物図像に焦点をあててルイ16世の他者化と死を論じた「フランス革命における国王のイメージ--ルイ16世の動物図像を中心にして--」(成蹊大学文学部国際文化学科編『境界・他者・アイデンティティ』柏書房)、および、共和暦2年ジェルミナルのエベール派とダントン派の粛清にかんするA・ソブールの主張を批判的に検討した、「<ジゥルミナルのドラマ>について革命政府とパリ民衆--」(『一橋大学社会科学古典資料センターStudy Series』53)がある。さらに現在、以上の成果をもとにこれまで蒐集してきた史料を整理・分析する作業をおこなっており、この成果は、「ジャコバン独裁期におけるロベスピエールと『世論』」として近いうちに公表したいと考えている。
すべて 2005 2002
すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (3件)
一橋大学社会科学古典資料センターStudy Series 53
ページ: 1-44
Center for Historical Social Science Literature, Hitotsubashi Universitiy, Study Series vol.53
Boudaries, Others, and Identities : Current Cross-Cultural Studies, (Department of Cross-Cultural studies, Faculty of Humanities, Seikei University, ed.) (KASHIWA SHOBOU)
思想 938
ページ: 48-75
Shisou (Thought) vol.938
Tenno to Ouken o Kanngaeru 2 Touchi to Kenryoku (Some Thoughts on Tenno System and Royal Authority 2 : Rule and Power), (KABAYAMA Koichi, ed.) (IWANAMI SHOTEN)
ページ: 181-213
Gendairekishigaku no Seika to Kadai 1980-2000 Rekishigaku ni okeru Houhouteki Tenkai (Historical Studies in Japan from 1980 to 2000 : Trends and PerspectivesI Methodological Turns in Historical Thinkings), (Rekishigaku Kenkyukai ed.) (AOKI SHOTEN)
ページ: 244-262