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2004 年度 実績報告書

太平洋戦争前の在ロサンゼルス日本人社会における公共団体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510422
研究機関立命館大学

研究代表者

米山 裕  立命館大学, 文学部, 教授 (10240384)

キーワード日本人移民 / 日本人会 / ロサンゼルス / アメリカ西部
研究概要

今年度は、ロサンゼルス日本人社会における公共団体に関する実証的分析をさらに進めた。基本的な研究方法に昨年度と同じである。動的理解に関しては、新聞資料等を用いて、南カリフォルニア社会、及びその日本人社会における主要な事件について、利害関係、原因と結果等を分析しつつ、日本人会を中心とする公共団体の役割を同定するものである。この作業によって、計画申請時に有効な仮説として提示した、公共団体の持つ「媒介者」的役割を立証することができたと考える。公共団体は、様々な局面において、日本人社会と広いアメリカ社会との媒介的役割を果たしていたのである。
また、静的あるいは構造的理解については、日本人社会内部における「権威」と「動員」のあり方に関し、公共団体の分析を進めることができた。申請時には、日本人会が「民主的」に運営されたと同時に日本人社会に対しては「権威」を持ち得たのではないかと考えていたが、予想よりも移民エリートの組織である実態が明らかになった。役員たちは一般の移民とはかけ離れた財産(農地、会社等)を所有し、その事実は多くの日本人が知るところであった。しかし役員選挙には多くの一般移民が参加したのも事実であり、民主的というよりも、民衆の支持を必要とする権威、権力のありかたをここに見ることができる。昨年度まで進めてきた職業、居住地区、家族構成などの社会学的データの蓄積と分析を利用した。
これらの分析を進めるに当たって、カリフォルニア及び周辺地域の環境史的・経済史的研究は、大いに役に立った。アメリカ西部経済の文脈において日本人移民の分析をするのは、当初の計画にはなかったが、このような新しい視点を得ることによって、予期した以上の知見が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ロサンゼルスの在米日本人社会と公共団体としての羅府日本人会2005

    • 著者名/発表者名
      米山 裕
    • 雑誌名

      立命館国際文化研究 17・1(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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