2002年8月7日から9月7日までヴィーン、ケルン、ライプチヒ、ワルシャワに、ついで9月13日から9月28日までブダペスト、モスクワ、ヴィーンに滞在し、とくにケルンとライプチヒの商科大学の歴史およびディプローム試験合格者の地理的分布の研究に従事した。ケルンではケルン大学アルヒーフにおいてケルン商科大学史の独文著書の出版準備を行い、ライプチヒではライプチヒ大学アルヒーフにおいてディプローム試験合格者一覧のデータの欠損部分の補充に努めた。ワルシャワではワルシャワ大学において、ボロジエイ教授(Prof. Wlodzimierz Borodziej)の協力を得て、ドイツの商科大学においてディプローム試験に合格したロシア国籍のポーランド人の地理的分布の調査を続行した。ついでブダペストにおいては同じくハンガリー出身のディプローム試験合格者の地理的分布の調査を続行し、ブダペスト大学図書館長のセギ博士(Dr. Laszlo Szogi)と意見の交換を行った。さらにモスクワでモスクワ国立大学講師アンドレーエフ博士(Dr. A. Andrejev)の協力により、ロシア出身のディプローム・カォフマンの地埋的分布の研究に着手することができた。また、ロシア科学アカデミーの歴史部門にイヴァノーフ教授(Prof. A. E. Ivanov)を訪問し、同教授の研究課題「ロシア革命前のドイツの大学のロシア人留学生の社会史」との関連で研究手法・史料状況について意見の交換を行った。ヴィーンにおいては今回の研究旅行の最初と最後の数日にヴィーン大学アルヒーフ、ヴィーン経済大学、オーストリア国立図書館においてオーストリア・ハンガリー帝国の大学史とヴィーン輸出アカデミーの歴史に関する史料調査を行った。とくにヴィーン経済大学モッサー教授(Prof. Alois Mosser)から同アカデミーの『ディプローム試験合格者原簿』について情報を得た。 今年度の研究成果の一部は別紙のように発表した。
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