研究概要 |
1.研究の目的および実施基本計画 本研究は、東北アジア極東地域における完新世的な石器がどのようにして成立するのかを、具体的な資料をもとに追及するものである。このため、(1)中国・モンゴル・東シベリア・極東・朝鮮半島・日本の完新世前半の石器組成と技術基盤の追求、(2)石器技術の変化と波及を支えた原産地遺跡の開発と石器供給システムの変遷の追及(主に日本の縄文時代を対称)という2つの視点で研究を実施する。 2.本年度の研究実績 上記の目的のため、本年度は以下の調査を実施した。 1)中国東北地方・内モンゴル・朝鮮半島における新石器時代の石器組成および地名表の作成。 2)東シベリアエニセイ川流域の細石刃石器群の研究。 3)沿海州地域における新石器時代(ルドナヤ文化・ザイサノフカ文化)の石器資料調査と成果発表。 ・小畑弘己(共同発表)「南沿海州クロウノフカI遺跡の発掘成果について」,第4回北アジア調査研究報告会2003.2.14・15,東京大学 4)韓国南部新石器時代遺跡(東三洞貝塚・凡方貝塚・細竹遺跡)の石器資料調査。 5)東三洞貝塚・凡方貝塚出土黒曜石の産地同定のための化学分析の実施。 6)北部九州の楔形細石刃石核を有する石器群の製作技法研究。 7)九州地方の黒曜石原産地(腰岳・象ヶ鼻・桑ノ木津留ほか)の調査と石材供給システムの研究と研究発表会の実施。 ・小畑弘己「鈴桶遺跡と鈴桶技法について」,石器原産地研究会第1回研究集会,2002.6.15,伊万里市生涯学習センター. ・Hiroki OBATA "New Discovery of Outcrops of so-called "Aso Obsidian"",2002.7.14〜21.大韓民国.
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