研究課題
・地名表の補充をおこない、これまでに収集した資料を基に出土状況の検討を行った。出土状況図のある資料については縮尺を揃えた図面を作成した。基本的には一人の被葬者に1面の副葬傾向が認められ、棺内の頭部付近に他の化粧道具と一括して納められている場合が多い。合葬墓の場合は、全て鉄鏡の場合は少なく、銅鏡と組み合わせになる場合が多い。鉄鏡の帰属に男女差はなさそうである。一方、極めて少数例ではあるが、階層的に上位の墳墓で、多面副葬が確認できる例もある。実用品でありながらも、銅鏡より財的価値のあるものとして認識されていたためであろう。洛陽市文物工作隊所有鉄鏡の調査・洛陽市文物工作隊が保管する、解放後に発掘調査で出土した鉄鏡計73面の悉皆調査をおこなった。・中国においてレントゲン撮影を行い、金象嵌のあるものを2面、鏡背に紋様を表現するものは少なくとも17面以上確認することができた。情報はデジタルスキャナーで読みとり、紋様のあるものについては図化を試みた。・全ての資料の写真撮影を行った。・全ての資料の現状での表面観察を行い。可能な資料については図化を試みた。・洛陽文物工作隊研究者を招聘し、鉄錆除去の技術的検討や、金属器についての保存化学処理方法について検討を加えた。ただし、具体的な錆の除去作業は今後の課題として残っている。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
鏡笵研究 I
ページ: 1-13
ページ: 70-76
ページ: 77-92
ページ: 130-137
ページ: 138-140
中国出土鏡の地域別鏡式分布に関する研究(菅谷文則 編)(科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)研究成果報告書)
ページ: 342-351