1 この研究の目的は、図書寮本『類聚名義抄』の翻字本文及び注解を作成することである。 2 図書寮本『類聚名義抄』水部については、その全文の翻字本文を研究成果報告書に掲載した。さらに水部冒頭部分の注解を作成し、これを研究成果報告書に掲載した。 3 図書寮本『類聚名義抄』の原本調査を実現することができた。原本は修理済みであり、閲覧・調査に支障ないことを確認出来たことは大きな成果である。また、そのカラー写真版を入手し、本文解読の精度を高めた。 4 引用原典のうち真興(934-1004)撰『大般若経音訓』に関して、叡山文庫所蔵の『息心抄』について、原本調査を行い、その逸文を収集・整理した。 5 古文献の漢字処理について、情報処理学会の人文科学とコンピュータ研究会において研究発表を行った。特に新字体と旧字体とをどのように扱うかを論じた。日本語学及びそれ以外の人文学研究者、さらには情報学研究者と意見交換を行った。
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