研究課題/領域番号 |
14510451
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
中村 幸弘 國學院大學, 文学部, 教授 (70052123)
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研究分担者 |
阪本 是丸 國學院大學, 神道文化学部, 教授 (30162308)
遠藤 和夫 國學院大學, 文学部, 教授 (50054507)
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キーワード | 倭姫命世記 / 本文校訂作業 / 依拠資料 / 『古語拾遺』の注釈書 / 山田正之写本 / 跡部良顕の跋文に基づいて改作 / 『倭姫命世記』の注釈作業 / 詳密な神社等に関する知識 |
研究概要 |
研究代表者中村幸弘は、平成14年度に行った『倭姫命世記』の五種の写本の翻刻を整理した結果を踏まえて、『倭姫命世記』の本文校訂作業を進展させた。また、現在唯一の活字化された注釈書たる、和田嘉寿男氏の『倭姫命世記注釈』の訓読文を参考にしながら、より適正な読み下し文を模索して、その本文の作成を進行させた。これと併行して、来るべき最終報告書の資にすべく、『倭姫命世記』の本文著作の依拠資料の一つと考えられる『古語拾遺』の注釈書「『古語拾遺』を読む」を刊行して、その注釈の正否を世に問うた。 研究分担者のひとり、遠藤和夫は、『倭姫命世記』の本文校訂作業を通じて、遠藤の所持本(山田正之写本)と、國學院大學図書館所蔵河野文庫本(番号273)とを比較して得られた結果、<山田正之写本は当該河野文庫本より素性が良く、河野文庫本は、岡田正利がその師跡部良顕の跋文に基づいて改作した可能性の強い本である>ことを『國學院大學大学院紀要-文学研究科-』第35輯に発表した。そして山田正之写本の訓読など国語学的事項についての報告は、「國學院雑誌」7月号に掲載予定で、準備中であるが、その結果は最終報告量たる『倭姫命世記』の注釈作業の中に生かすことを予定している。 さらにもうひとりの研究分担者、阪本是丸は、常に詳密な神社等に関する知識をもって注釈作業の相談に与かり、倭姫命を祀る神社である伊勢の皇大神宮の別宮である倭姫宮の創建の経緯や近代以降における倭姫命に関する神道学及び歴史学の研究成果等の知識を提供するとともに、神宮文庫や関係神社などとの連絡を取り、当該研究の進展に寄与している。
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