如来寺蔵の聖教調査は、2005年6月25、26日、8月3〜7日、10月15、16日、12月17、18日に行った。聖教の全点数の半分、七百五十点の書誌カードの見直しと、パソコンへのデータ打ち込みを完了した。研究成果報告書(冊子体)に、調査完了時点での所蔵目録を掲載する予定である。 また、同地域の真言宗寺院である宝聚院(いわき市西小川)に所蔵される、浄土宗関係資料の調査を、7月2、3日、9月18、19日、11月12、13日に行った。さらに、東北、北陸地域における浄土宗関係資料の調査を、秋田県公文書館、酒田市立図書館で、8月26〜28日に行った。 調査の進展をもとに、中世文学会学会創設50周年記念大会シンポジウム「中世文学研究の過去・現在・未来」(5月29日)において、第一分科会「中世文学と資料学-学問注釈と文庫をめぐる」の講師として、「地域寺院と資料学」の題目で、中世における如来寺聖教の持つ意味について報告した。成果は、『日本中世文学研究-過去・現在・未来』(笠間書院2006年6月刊行予定)に掲載予定である。 また、中世文学会平成十七年度秋期大会シンポジウム「琉球文学の中世」(11月4日)の講師として、「日本(ヤマト)からのアプローチ-中世における琉球文学の可能性-」の題目で、浄土宗名越派の学僧袋中について、如来寺聖教調査の成果を用いながら、報告した。成果は、『中世文学』51号(2006年6月)に掲載予定である。
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