1)大峯の口伝・縁起一覧作成 日本大蔵経『修験道章疏』・山岳宗教史研究叢書『修験道史料集I・II』・神道大系等の活字資料、及び本調査から得た知見を基に、主に古代・中世における大峯の口伝・縁起一覧を作成し、同一あるいは類似する内容の記事について整理した。最終年度「研究成果報告書」掲載予定。 2)『諸山縁起』の本文校訂・訓読・注釈 上記作業を順次進めているところであるが、日本思想大系『寺社縁起』の訓読・注釈に対して新見を多く示しうる部分とそうでない部分が現れており、研究成果をどのようなかたちで発表すべきか、検討中である。 3)院政期修験道史の研究 院政期熊野御幸の隆盛を機に、熊野・金峯・大峯の口伝・縁起類の形成と類聚が一気に加速したであろうことはほぼ間違いない。川崎は、具体的に後白河院御幸に関わる縁起・表白・今様・諸道勘文・公卿申文等を重ねて読み合わせることにより、御幸を機に複数の熊野縁起が院に提出された事実、道中での今様や宝前での表白を通してそれら縁起のいくつかが公認された事実等を確認した。11欄参照。 4)修験道書の伝授識語・奥書一覧作成 まず日本大蔵経『修験道章疏』の伝授識語・奥書を収集。対象範囲拡大、及び整理・発表方法については検討中である。
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