1、儀式・饗宴の記録の文化史的意義とその作者の伝記に関する研究 これらを主題とする仮名日記を、どのように同時代の文学史・文化史に位置づけるべきかを考察した。とくに二条良基の作品については著書『南北朝の宮廷誌』に反映させた。また重要な作者として源通親・飛鳥井雅縁・姉小路基綱を取り上げた。その成果としていくつかの論文を公刊した。 2、仮名日記の本文研究とデータ化 鎌倉時代の公宴蹴鞠を物語風に描いた『二老革〓話』を翻刻した。また二条良基の仮名日記の9編のほか、足利義満の治世に関する仮名日記『鹿苑院厳島詣記』『鹿苑院西国下向記』『鹿苑院殿をいためる辞』などあわせて20編近くをテキスト・データ化し、それを基盤におのおのの伝本の書誌的研究を行い、校訂本文を整備した。 3、中世朝廷の儀式・饗宴関係史料の伝本書目稿の編纂 宮内庁書陵部・国立歴史民俗博物館・東京大学史料編纂所に蔵される史料を中心に、平安後期から室町後期までの主な宮廷儀式・饗宴を列挙し、これについての文献資料の有無と所在を一覧できるようにした。 4、成果報告書の編纂と刊行 A4版縦、211頁。内容は以下の通り。 1.論文篇(全7篇) 2.年表篇 3.資料編
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