研究概要 |
200今年度におこなった研究課題「中国近代文化史研究--中国近代の自己デザイン」に関する研究活動によって得られた知見、業績等は以下の諸点にまとめることができる。 1,国内資料調査--国会図書館関西館において、「申報」なとの清末期に発行された中国文新聞の調査をおこない、中国近代文化史関係資料を収集した。 2,1の資料調査および過去2年間の研究の蓄積を踏まえて、研究論文「「地図」への視線と中国近代」(『岡山大学文学部紀要』第41号)、「宣統三年の大清国国歌」(『中国文史論叢』第1号)を執筆した。前者は、清末期中国人が「近代」をどのように「視覚的」に認識してゆくことになったのかを「地図」の受容の拡大に注目して明らかにしたものてあり、後者は、清朝最末期に導入が政策的に決意された西洋世界の政冶的表象「国歌」を巡って展開した「自己--他者認識」のドラマを明らかにしたものてある。またこれらの論文は、現在作成作業を進めている時間編、空間編、表象編によって構成される研究成果報告書において、それそれ空間編と表象編の構成論文となるものである。
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