本年度の研究調査目標は、遠隔授業の実体を客観的に把握することである。その具体的作業として遠隔授業10回分の画像・音声を収録した。各回の音声をすべて文字化し、さらにその一部(5回分)から画像・音声・文字つきコーパス(文字数約10万字)を試作した。 遠隔授業を対照的に研究するため、従来型授業(10回)も同様に画像・音声を収め、文字化した(約20万字)。その一部(2回分)についても上述同様のコーパスを作成した。 これらの基礎資料にもとづき第52回「中国語学会」(金沢大学開催)において「遠隔授業における中国語学習の新しい可能性と問題点」のテーマで発表し、かなり反響があった。さらに14年12月早稲田大学主催の国際シンポジューム「漢語国際教育の実践と展望」に共催者として参加した。北京、ソウル、台北、米国などの研究者との研究ネットワークを構築し、今後の国際共同研究の展開を確実なものにした。 次年度からはさらに提携校との共同研究を充実発展させると同時に上述のコーパスをより広く便利に利用できるよう改良を加える計画である。
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