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2004 年度 実績報告書

18世紀英国女性にみられる〈弱者〉との関係の文化史的研究-慈善と母子関係を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 14510511
研究機関静岡大学

研究代表者

鈴木 実佳  静岡大学, 人文学部, 助教授 (40297768)

キーワード18世紀 / イギリス / 女性 / 文学 / 慈善 / 日記・手紙 / ケア / 出産
研究概要

二つのテーマ:1)慈善、2)妊娠・出産・育児、子とのコミュニケーションについて、前年度の成果を引き継ぎ検討した。
1.Georgiana, Countess Spencerの膨大な書簡・日記(未出版マニュスクリプト)を使って彼女が行っていた個人としては大規模な慈善事業をテーマにした論文を完成し、学術雑誌に9月に投稿した。採否の結果待ち。『静岡大学人文論集』の論文は、18世紀の湯治リゾート・バースでのケアの一例を論じたものである。『身体医文化論』の論文は、寄付により賄われた売春婦更生施設の方針と女性観・売春婦観について、18世紀半ばから19世紀におきた変化を論じた。
2.18世紀にイギリスでは男助産婦(man-midwife)が流行し、出産の歴史のなかでも際立った現象として、出産が女性たちの集まりの中に囲まれた体験から階層により差異のある体験となった(富裕な女性たちの選択で男助産婦が流行った)と説明されている。妊娠・出産・育児についての富裕な女性の考え方を考察する論文を準備中である。
他に、19世紀の日本の女医二人についてDictionary of Medical Biography(Greenwood)に執筆した。今年度は、研究補助のための謝金を使用しなかったのは、マイクロフィルムWomen and Medicine : Remedy Books 1533-1865(全35リールのうち12リールを購入した)を購入し、予算の都合上無理になったためである。この資料は、女性がつけていた家計簿や薬などのレシピ・ブックを集めたもので、一家のなかでのケアの担い手としての女性の研究に大いに役立つものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 「不運な女」と「堕ちた女」-十八世紀から十九世紀の慈善と売春婦2004

    • 著者名/発表者名
      鈴木実佳
    • 雑誌名

      身体医文化論3 腐敗と再生 3

      ページ: 208-228

  • [雑誌論文] Bath and the Care of a "Poor" Woman2004

    • 著者名/発表者名
      鈴木実佳
    • 雑誌名

      静岡大学人文学部人文論集 55-1

      ページ: 115-129

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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