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2005 年度 実績報告書

メタ言語否定の認知語用論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14510521
研究機関奈良女子大学

研究代表者

吉村 あき子  奈良女子大学, 文学部, 教授 (40252556)

キーワードメタ言語否定 / 一般的会話の含意 / メタ表示否定 / 認知語用論 / 関連性理論
研究概要

いわゆるメタ言語否定(正確に言うと「否定辞notのメタ言語的使用」Horn(1985))の現象に関して対立する見解を示しているHorn(1985,1989,2001^2)とCarston(1996,1998,2002)を詳細に考察することによって、その対立の原因を突き止め、自然言語である英語の否定辞notは、真理値を逆転させる働きをする論理学における真理関数演算子を超えた、より一般的存意味を持つものだとみなすべきだと考えられることを示した。Horn(1985,1989,2001)は、記述否定とメタ言語否定の区別を、否定の作用する命題の真理条件が否定対象になっているかどうかによって行い、自然言語の否定(否定辞)は、語用論的に多義であると主張するが、意味論的意味を真理関数的なものだと考えていない以上多義性に通じる。Carston(1996,1998,2002)は、メタ言語否定の本質は、否定の作用域にメタ表示が含まれていることでありメタ表示否定(metarepresentational negation)と呼ぶのが適切で、自然言語の否定(否定辞)は単義で、その意味は例外なく真理関数的であると主張する。しかし、Givon(1978)の「否定はそれに相当する肯定の内容が既に議論されたか、あるいは、それに相当する肯定の内容を聴者が信じている--したがってよく知っている--と話者が思っているような文脈で用いられる」という否定一般に関する分析が正しいのであれば、全ての否定がメタ表示否定であることになり、その主張の意味が分からなくなる。どちらも、自然言語の否定(辞)の意味は論理演算子の否定であるという仮定を維持しようとするところにその問題の原因があるように思われるので、自然言語の否定が非常にgeneralな意味を持つ可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 「メタ言語否定」をめぐる論争の吟味-その示唆するもの-2006

    • 著者名/発表者名
      吉村あき子
    • 雑誌名

      奈良女子大学文学部研究教育年報 第2号

      ページ: 135-146

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Robyn Carston, Thoughts and Utterances : The Pragmatics of Explicit Communication2006

    • 著者名/発表者名
      YOSHIMURA, Akiko
    • 雑誌名

      Studies in English Literature English Number 47

      ページ: 316-323

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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