研究課題/領域番号 |
14510527
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
林 康次 愛媛大学, 法文学部, 教授 (60036449)
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研究分担者 |
加藤 好文 愛媛大学, 法文学部, 教授 (70136779)
野崎 重敦 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (90189390)
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キーワード | カリフォルニア / アングロ・サクソン文化 / メキシコ文化 / WASP / マイノリティ / グローバル化 / アメリカ日系社会 / 21世紀 |
研究概要 |
本年度のカリフォルニア研究は、「カリフォルニア州」、「南西部とカリフォルニア」、「イギリスと旧イギリス植民地」の三方向から、文献研究とフィールドリサーチ両側面で行った。 フィールドリサーチ前半のニューメキシコ州では、サンタフェとアルバカーキ両市を対象にした。サンタフェ市ではメキシコ系アメリカ人の伝統文化と歴史を調査し、アルバカーキ市のなかに現代と伝統との交錯を実地体験し、カリフォルニア研究の奥行きを実感した。併せて、チカーノ文化とアングロ文化との対照のなかにメキシコ文化の浸透を発見した。(以上、林)後半のカリフォルニア州では、シエラ・ネバダ山麓に広がる砂漠地帯のマンザナール強制収容所跡地を訪れ、第二次世界大戦中の日系人の収容所生活の悲劇を体感した。サクラメント市では、松山・サクラメント姉妹都市協会会員と交流を深め、更に強制収容所体験者とのインタビューを通じて、過去の歴史へのわだかまりと、それを乗り越えようとするアメリカ人としての意志との葛藤を読み取ることができた。(以上、加藤)文献研究としては、カリフォルニア出身の二人の中国系作家マクシン・ホン・キングストンの『アメリカの中国人』、それにエイミ・タンの『ジョイ・ラック・クラブ』や『キッチン・ゴッズ・ワイフ』などの研究をとおして、それらの作品には世代間の葛藤-つまり中国の伝統的価値観を重んじる年長の世代と、アメリカ社会へのより高い帰属意識を持つ若い世代との間の対立-というテーマが共通して見られるという知見が得られた。(以上、野崎) 以上、三者共同のカリフォルニア研究は三年目に入り、上述の三方向を更に推進した。この成果は平成17年度予定の出版物に反映させる。
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