研究課題
本研究の目的は、Chomsky理論と競合する言語理論の中でも有望なもののひとつで、英国の言語学者Richard Hudsonが提唱するWord Grammar理論の全貌を明らかにし、併せて、競合する他の言語理論とその理論的枠組みを比較考察することにより、この理論の特長および弱点を現代英語の統語構造、意味構造の分析を通して明らかにすることある。今年度予定していた研究計画に従い、これをほぼ予定通り遂行し、以下のような実績を上げた。1.2004年5月19日から21日にわたってタイ国タマサート大学で開かれたSoutheast Asian Linguistics Society第14回国際会議の「形態論と統語論」部門で研究成果の一部を口頭発表した。発表の詳細は次ページ、研究発表の欄に記してある。日本語の「この赤い花」は、なぜ「赤いこの花」という語順も可能であるのかという問題について、英語の限定詞と比較しながらWord Grammarによる独自の説明を行った。学会に参加していた研究者からの反応も大きく活発で有意義な討論が行われた。この論文はSEALS14に掲載が決まり、現在印刷中である。2.2004年6月18日から19日まで韓国の高麗大学で行なわれた韓国英語学会(The English Linguistics Society of Korea)主催2004年度英語学国際会議The 2004 International Conference on English Linguisticsで研究成果の一部を口頭発表した。3.2004年8月17日から9月8日まで英国に滞在し、海外共同研究者のHudson, Rosta、Gisborne、Holmesの各氏とLondon大学University College London言語学教室にてworkshopを開き、これまでの研究成果のまとめを行い、研究成果刊行のための執筆を進めた。3年間に渡る研究成果は私が編集した論文集として、英国のContinuum社と出版契約を結び、2005年11月ころまでに刊行予定で、目下準備中である。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)
Selected Papers from the 14th Annual Meeting of of the Southeast Asian Linguistics Society (印刷中)
Proceedings, 2004 International Conference on English Linguistics : In Commemoration of Otto Jespersen Scholarship
ページ: 346-353
Book of Abstracts, The Macmillan Colloquium on Learners' Dictionaries Today
ページ: 34-38
神戸外大論叢 55・3
ページ: 3-26