研究概要 |
(1)Cambridge大学MagdaleneコレッジPepys2125写本,Item3「悔い改めについて」の校訂 ・本文校訂作業の完了:マイクロフィルムで不明確な箇所について、写本原本と校合し、テキストを確定。Punctuationの再考、確定。 ・付注作業の完了:Glossarial notes ; Editorial notes;その他、特異な事項に説明をつける他、ギリシャ・ラテン教父からの引用について典拠を示す注(本作業は、膨大な文献に関連するため、完了することはできなかった。) ・イントロダクションの完成:校定本のイントロダクションは、テキスト本文に並ぶ重要なものなので推敲を重ねてきたが、夏に、Oxford大学Gray Friar College, fellow, Dr Ann.Mouronのsupervisionを受け、完成したと判断された。 ・以上の成果をまとめ、海外の専門誌に投稿。審査中 (2)Cambridge大学St John's College図書館、G.31写本の校訂に入る。 ・同写本には、中英語による旧約聖書・創世記が収録されている。Petrus ComesterによるHisroria Scholasticaと聖書を元に書いたと前書きに記されているが、Hisroria ScholasticaをGuyart Desmoulinが中仏語に翻案した、Bible historialeが間に入っており、さらにconflateされている。聖書からの引用部分には、Wycliffite聖書の影響も散見され、詳しい調査が必要である。 ・同様のテキストは他に確認されておらず、大変興味深い文献であるが、まだ、校訂・刊行されていない。同写本のマイクロフィルム化から、本文転写・テキスト確定の作業をほぼ完了。Hisroria Scholastica, Bible historiale, Wycliffite聖書との対照作業が進行中。また、直接の原典が存在するかどうかを、調査中である。 (3)予算は、現地で写本を確認し、論文指導を受け、貴重文献を収集するための調査研究旅費(Cambridge, Oxford)、謝金、関連図書の購入、執筆・印刷のための用品に充てました。
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