研究概要 |
1 Cambridge大学MagdaleneコレッジPepys2125写本,Item3 Dimitte me, Domine'(「悔い改めについて」)の校訂 ・エディションは、Canada, Tronto大学、Pontifial Institute for Mediaeval Studies発行学術誌Mediaeval Studiesにて継続審査中である。途中、主査の指導により、表記方法の変更、解説の一部加筆、ギリシャ・ラテン教父からの引用についての本文注の加筆を行った。平成17年1月に最終原稿を提出し、本年度末までに掲載の可否について最終回答をもらえるよう、お願いしてある。典拠を示す注(本作業は、膨大な文献に関連するため、完了することはできなかった。) 2 Cambridge大学St John'sコレッジ図書館、G.31写本Historye of the Patriarkisの校訂 ・Historye of the Patriarkisは、中英語による旧約聖書・創世記であるが、Petrus Comestor作Historia Scholasticaの中英語による抜粋訳にラテン語ウルガタ聖書から聖句を補ったものである。作者は、この他に、Histroia ScholasticaをGuyart Desmoulinsが中仏語に翻案した、Bible historiale,やPetrus RigaのAuroraの影響も見受けられる。 ・Historye of the Patriarkisのエディションは、Heidelberg大学出版、Middle English Textsシリーズから刊行が決定した。今後約3年の計画で完成させる。 ・16年度中の実績: 1.16年2月-3月、Cambridge、London現地にて写本の確認):G.31写本を書き起こし、句読点、段落付け、大文字使用、写字者の間違いの訂正、つづりの確定;フランス語典拠について、直接原典となった可能性のある写本が存在するかどうかをいちいちの写本に当たって調べた。;ウィクリフ派聖書の影響について。ウィクリフは聖書の写本に実際当たって調べた。 2.16年12月・日本中世英語英文学会第20回記念大会:Historye of the Patriarkisとウィクリフ派聖書の影響関係について調べ口頭発表を行った。
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