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2005 年度 実績報告書

Ancrene Wisseの成立と受容

研究課題

研究課題/領域番号 14510555
研究機関関西大学

研究代表者

和田 葉子  関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (00123547)

キーワードAncrene Wisse / 英語 / フランス語 / 写本 / 所有者 / 読者層 / 受容 / 原作
研究概要

13世紀に成立した、修道女の手引きであるAncrene Wisseは中英語で書かれたが、それはフランス語、ラテン語にも翻訳された。フランス語版については、かなり早い段階で生み出されたと考えられる。13世紀は、英文学史上、自国語、すなわち英語による新たな文学が書かれた始めた時代ではあったが、Ancrene Wisseのフランス語訳がすぐに必要であった事実は、当時、フランス語が母語であり、まだ英語を完全に理解できずにいた上流階級の女性たちがいたことを物語っている。最初に作られたフランス語版の流れを汲んでいると思われる14世紀初期の写本、London, British Library, MS.Vitellius F viiは、正確に書かれ、内容も原作に近いと考えられたので、かつて、Ancrene Wisseの原作の言語はフランス語であったと論じられたこともあったほどである。
今年度の研究調査によって、Ancrene Wisseのフランス語版、Vitellius写本と同じ14世紀初期に筆写されたとされるLondon, British Library, MS.Harly 2253、いわゆるThe Harley Lyricsはともに、その成立時期と地域が同じであり、その上、いずれもアイルランドとの関連が指摘できることがわかった。これは、さらなる研究の発展につながる非常に興味深い発見である。
ロンドンの大英図書館とケンブリッジ大学図書館において、Ancrene Wisse及び、13〜14世紀に托鉢層や修道女によって読まれ、または筆写されたと考えられる写本を調査した。関係資料については日本で入手の難しいものをA4サイズで可能な限りコピーして持ち帰った。写本についても、日本国内で研究調査が続けられるように、マイクロフィルムを注文し購入した。特にケンブリッジでは中世文学や中世史の分野の学者と交流する機会が多く、最新の情報交換ができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Oxford English Dictionaryに見る英語散文の連続性について2006

    • 著者名/発表者名
      和田葉子
    • 雑誌名

      Neo-ANGLICA 4

      ページ: 135-162

  • [雑誌論文] 魔女の手に渡ったAncrene Wisse : London, British Library, MS.Cotton Vitellius F viiについての一考察2005

    • 著者名/発表者名
      和田葉子
    • 雑誌名

      関西大学東西学術研究所紀要 38輯

      ページ: 67-77

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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