本研究「フランスにおける<外国語>文学の成立理由とその現状」の初年度の課題は、(1)これまで発表してきたクンデラ関係の研究の整理と資料整備のためのデータベースの作成、(2)クンデラ、ビアンシオッティとの面談、証言記録の作成、(3)シオラン等の関連著者・資料の研究、により研究の基礎を固めることであった。 (1)および(2)については、2002年9月にパリに滞在し、本人と3度にわたって面談することができた。その記録を作成するとともに、本人からの依頼により、イタリアの雑誌<Riga>20号に「小説の存在論的省察」の題名で論文を寄稿した。また、購入した新しい機材のおかげで、データベース化も順調に進んでいる。 (2)については、かなりの関連著書を購入し、現在鋭意研究しているところである。問題意識がかなり深化してきているとの手応えを得ている。 以上の成果をもとに、さらなる成果を念じて、次年以降の研究を継続、発展させるつもりである。
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