1、〔調査活動〕 14年度は本研究課題である「ドイツのユートピア思想とモダニズムの生活改革運動に関する総合的研究」を行うものとしては初年度ではあるが、本研究はそもそも平成11年度から13年度まで科学研究費補助金(基盤研究C2)の交付を受けた研究「ドイツ産業革命以降の生活改革運動とその文化的影響に関する総合的研究」を発展させる性格のものである。従来の課題に関する研究成果を基礎にしながら展開させるべき問題設定の方向を定めるため、まず上記の課題の元に以下の3つのサブテーマを設定した。 (1)生活改革運動との関連におけるユートピア思想 (2)ドイツにおけるオリエンタリズム (3)ドイツの宗教的ユートピア思想 サブテーマの(1)は従来の研究課題と最も関連性および継続性が強いものなので、本年度は特に本研究課題に特徴的な新しい関心事である(2)と(3)のサブテーマに関し、資料収集活動を行った。具体的には文献の収集や国内と国外(ドイツ連邦共和国)におけるシンポジウムへの参加や図書館での調査活動(オランダ)等である。 2、〔研究発表活動〕 研究発表活動としては、ドイツ田園都市建設の歴史をテーマとした論文の発表を行った。これは本来前年度までの研究課題に関する研究を継続して発表したものであるが、現在の研究課題の元ではサブテーマ(1)に関係し、これからも継続・発展させて行っていくべき性格のものである。今後はさらにサブテーマの(2)と(3)についても成果の発表を行うべく研究を行っていく計画である。
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