研究課題/領域番号 |
14510578
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤原 保明 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (30040067)
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研究分担者 |
黒田 享 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (00292491)
石塚 茂清 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (60015948)
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キーワード | ゲルマン語 / 造語法 / 通時的研究 / 比較言語学 / 韻律 / 複合語 / 接辞 / アクセント |
研究概要 |
今年度は、研究代表者及び分担者2名が個々の役割分担に応じて研究を推進し、8月から月例の研究会を開いてその遂行状況及び成果を明らかにしてきた。とりわけ代表者は、平成14年12月7日広島大学で開催された日本中世英語英文学会でのシンポジウムにおいて発表した「ゲルマン古詩の韻律構造」の中で、語構造とリズムの関係について新たな解釈を示した。また、平成15年2月14日〜23日の間、ロンドン大学音声学・言語学科において、主に英語の接頭辞un-付加語と強勢の関係について通時的観点から研究を行い、un-付加語のリズム型の史的変化を詳細に明らかにし得る段階まで至っている。なお、この成果は、今年11月開催の日本英語学会で発表予定である。ペーパーは「古英語形容詞の補助部について」、「古英詩『創世記B』(翻訳)」、「古英詩『創世記B』における頭韻語の選択」の3点である。最初の論文は造語法に直結したものではないが、形容詞句の構成と構造は語構造との関わりが深いことから、科研の研究課題の遂行にとって今後有益な示唆を与えてくれるものとなっている。2番目は古英詩の翻訳であるが、今年度の課題に直結した文献の翻訳であり、正確なデータを得るために研究対象を丹念に読み進めたことの証でもある。3番目の論文は、「頭韻階級の原則」という代表者が13年前に提案した新たな原則に基づいて分析を行ったものであり、その結果として、古英詩『創世記B』が韻律のみならず造語法においても他の古英詩とはかなり異なる特徴を示すことを明らかにしえた。さらに、この結果は新たな原則に基づく古サクソン語の『創世記』の分析および古英詩『創世記B』との比較対照研究の意義を高めることとなった。 分担者2名もそれぞれ1点の論文を発表した。いずれもゲルマン語の言語・文化に係る論考であり、2年度以降の科研の課題遂行に不可欠なものである。
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