研究課題/領域番号 |
14510591
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
|
研究分担者 |
高本 教之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)
黒子 康弘 東京都立大学, 人文学部, 助手 (50305398)
初見 基 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (90198771)
|
キーワード | ウイーン / ハイパーテクスト / 文化史 / コンピュータ / 情報学 |
研究概要 |
本プロジェクトは、ウイーンのモデルネの文化記述方法として、新しい学術と新しいメディアのスタンダードに対応するモデルを開発することにある。それは学問的な領域にあっては、<文化史>を包括的な生の諸連関に存するひとつの一体性をもった経験領域として提示できるような前提はまだほとんど形成されていないためであった。それをするためには、原則的に諸学問分野が交錯し合う、学際的な接近が必要とされる。精神科学や社会科学といった分野にとどまらず、工学、情報学、経済学、などの学問分野をも含み込んだ共同作業が必要になるということである。本研究課題は、以上のように諸分野を横断するような学際的研究に、ハイパーテクストの構築による1900年前後のウイーンの文化記述という形で寄与しようというものである。この文化記述モデルが依拠するのは、コンピュータによるハイパーテクストである。それゆえ、本プロジェクトの第一段階として、コンピュータ、スキャナー、ビデオカメラという研究に不可欠の機材を購入し、その操作に習熟しすることから開始した。2002年12月に我々は、ハイパーテクスト構築の基礎を学ぶため専門家を呼び、ワークショップを開いて以降、その技能レベルを持続的に向上することに力を入れた。続いて、文化記述モデルの理論的パースペクティヴの確立、理論的展開が課題となったが、これについては2本の論文(集)を纏め上げ、本研究の指針とした。論文の第1本目は、ウイーンのモデルネの受容史ならびに文化学的問題設定を問い直す試みであり、2本目は新たな記述モデルの確立の礎石を打ち立てるものであった。この2本目の論文集は、さまざまな大学から募った10人にのぼる研究参加者からなる作業チームによる共同執筆によるものであり、形式と内実ともに本研究の文化記述モデルの基本要素として機能するものとなった。これは、A4判80ページほどの実績報告書として提出、公表される。また2003年8月に、本研究代表者であるループレヒターが渡欧し、海外の協力者としてIFKウイーン(ウイーン文化学研究所)、ゴットフリート・ブンベルク教授と会い,資料選定から、研究成果の発表にいたるまで多方面での支援を取り付けていることも報告しておきたい。
|