研究課題
基盤研究(C)
本研究は19世紀におけるドイツ国民文学の生成過程を、ゲーテを古典化していくさまざま現象を取り上げ、それらを分析することによって明らかにした。以下に、本研究において対象とした諸現象のうち重要なものを挙げる-1.ヴィンケルマンにおける古代ギリシャ礼賛と近代批判-ゲーテ=ギリシャ人のディスクルスの源2.古代ギリシャのディオスクロイの近代における具現=ゲーテ・シラーのカップリングの成立(F.シュレーゲル)3.初期ロマン主義的読解術とゲーテの『マイスター』4.ゲーテの作品の「不妊性」-芸術による共生の不可能性(ハイネによるロマン派批判)5.規範化のメカニズム-選別と排除、普遍化と超越化、親密性の構築(「遅れてきた国民」と古典)6.引用される古典的名句-ゲオルク・ビューヒマンの構想7.自動販売機で売られる古典-廉価版となった古典8.「簡要文学史」と古典9.ゲーテの未完のプロジェクト-「民衆読本」の構想10.黙読する女性読者-ドロテーアとベッティーナ11.ゲーテ郵便王国とベッティーナの『往復書簡』12.「暴走するファンタジー」か、あるいは「中世を具現する存在」か?13.記念碑化されるゲーテ以上のようなテーマ群を分析することによって、19世紀におけるドイツ国民文学成立のなかでゲーテの古典化が重要な役割を果たしたことを明らかにし、イキリスとフランスとは異なるドイツ固有の古ギリシャにたいする関わりとゲーテ崇拝の関わりも取り上げた。
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國文學 第50巻2号
ページ: 43-51
Kokubungaku (National Lietrature) (Gakutosha) Vol.50,No.2
Immermann-Jahrbuch 第5巻
ページ: 11-26
学習院大学ドイツ文学会「研究論集」 第8巻
ページ: 109-140
Immermann-Jahrbuch Vol.5
Gesellschaft fur Germanistil der Gakushuin-Universitat Vol.8
Archaologie der Literarischen Kommunikation 第8巻
ページ: 77-88
Archaologie der literarischen Kommunikation Vol.8
文学(岩波書店) 第3巻第3号
ページ: 158-173
Immermann Jahrbuch 第3巻
ページ: 113-124
Bungaku (Literature) (Iwanami Shoten) Vol.3,No.3
Immermann Jahrbuch Vol.3