本年度の研究は、今後4年間の研究の基礎をなす文献・資料の収集、データの整理、研究者交流・研究者集会、研究発表を中心に行われた。 1.【文献・資料の収集、データの整理】ベルリンを中心とするドイツ演劇関係の基礎文献・資料を、一九世紀から現代に渡って幅広くリストアップし、部分的に購入を開始した。この基礎文献・資料の購入とデータの整理は、次年度にも引き継がれる。 2.【研究者交流・研究者集会】研究代表者新野は、2002年5月にベルリン自由大学で開催された研究者集会「日本とドイツ-経済的文化的諸関係」に出席し、日本とドイツの文化関係を研究する研究者たちと相互に情報交換をおこなった。2002年8月に北京で開催された「アジア地区ゲルマニスト会議」に出席し、アジア地区の研究者との交流を深めるとともに、研究発表"Lekture einer Textmaschine -Die Funktion des Monologs in den dekonstruierten Texten von Heiner Muller"を行った。さらに2002年9月に開催された日本独文学会秋季研究集会における国際会議実行委員長としてフランクフルト大学の演劇学の専門家ハンス=ティース・レーマン教授を招聘し、多数の内外の研究者の参加を得て活発な研究者交流を組織し、研究発表"Postdramatische Theater in Japan"を行った。 3.【研究発表】「11.研究発表」の項に記載してあるように、大戦後のベルリン演劇に重点を置く新野と、大戦以前のベルリン演劇を喜劇の観点から分析する小島両研究者による本研究の成果は着実に発表され、ベルリン演劇に関する研究成果が新しい知見として公開されている。
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