研究課題
基盤研究(C)
1)日本語の格助詞の体系的な特徴づけを行った。ガ:プロセス的把握ではプロファイルされた動力連鎖の最上流にあって、最大の際立ちが与えられた参与者(プロトタイプとしては動作主)を表す。存在論的把握では、ニ格で表される場所に位置づけられる存在物を表す。両者は「表現の対象としてプロファイルされた部分の中で、最大の際立ちを与えられた参与者」というスキーマを共有している。ヲ:ガ格で表された参与者を起点とした動力圏の内に存在する受動的な参与者を示す。プロトタイプとしては被動作主や移動主であるが、知覚、所有、能力、感情などの経験的な事態では経験対象である。ニ:プロセス的把握では、ガ格で表された参与者(プロトタイプとしては動作主)を起点とした動力圏の外にある自立的で能動的な参与者を示す。存在論的把握では、ガ格で表される存在物(モノ)が位置づけられる場所を表す。両者は「ガ格で表された参与者に対峙する」というスキーマを共有している。デ:前景を構成する動作連鎖全体に対し、ある背景を補足的に示す。プロトタイプとしては背景としての場所を表す。時間、道具、原因、様態などの用法はプロトタイプとしての場所用法からの拡張的用法である。ヘ:プロセス的把握において、移動のプロセスをベースとし、その経路をプロファイルする。カラ・マデ:プロセス的把握で、カラは起点、マデは着点をプロファイルする。2)格助詞デを取り上げ、その様々な意味・用法がどのようなプロセスで習得されるかを明らかにし、習得プロセスが、認知言語学で主張する「プロトタイプを中心とした意味の放射状カテゴリー構造」と密接な関係があることを示した。3)格助詞習得のプロセスや誤りの発生に意味的要因や認知的要因が深く関わっていることを示した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件)
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