研究概要 |
本年度の研究実績は以下の二点である。 1.グルジア共和国トビリシ市においてアブハズ語母語話者より、アブハズ語動詞の形態論を中心とするインフォーマント調査を平成14年夏におよそ40日かけて行った。調査した主要な項目は以下の通りである。 (1)約200語の基本動詞の人称・クラス接頭辞の全てのヴァリアントを母音シュワーの出没を含めて調査し、それらの動詞の活用形の形態を記述した。 (2)各種の文法範疇(疑問、否定、使役、相、可能性範疇辞、不随意性範疇辞、等)を表す接辞の動詞複合内における位置,及び機能を調査記述した。 (3)時制・アスペクトを表す接尾辞の形態を記述すると共に、時制・アスペクトの意味を調査した。 (4)人称・クラス,文法範疇を中心とする、各種の接辞の動詞内における結合によるアクセントの位置を調査記述した。 (5)アブハズ語のテキストを採取・収集すると共に、インフォーマントと共同でテキストの分析を行った。 (6)約300語の名詞の複数形と名詞複合形をアクセントを含めて調査記述した。 2.以前(平成12年と13年)に行ったアブハズ語調査と本年度の調査によって収集したアブハズ語動詞資料を分析すると共に、他の北西カフカース諸語の動詞形態との比較分析を行った。
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