国語学、機能言語学、比較言語学、生成文法間での対話を試みるために、10月に第27回関西言語学会においてシンポジウム「"係り結び"から見えるもの-古い問題への新しい取り組み-」を開催し、対話を深めた。その過程で、いくつかの基本概念について一層の相互理解を追求する必要を確認しあった。 また2月には、研究協力者とともにUCLAを訪れ、受身文を軸として生成文法学者、機能言語学者と会合を持ち、対話と協力の可能性について議論した。そのなかで、内在的・独立的な文法モジュールの存在を前提とするか否かによって研究の立場が異なっていることを確認し、また両者の立場を生かしたまま、統合的な取り組みが可能であること、また歴史的研究にとってはそのような態度が重要であることが主張された。 並行して、研究協力者はUCLAの図書館を調査し、日本語研究を中心に蔵書の調査を行い、用語リストのための基礎作業を進めた。
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