研究課題/領域番号 |
14510623
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 弘 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50274030)
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研究分担者 |
牧岡 省吾 大阪女子大学, 人文社会学部, 助教授 (60264785)
小泉 政利 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10275597)
玉岡 賀津雄 広島大学, 留学生センター, 教授 (70227263)
河原 純一郎 広島大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (30322241)
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キーワード | 心理言語学 / 認知心理学 / 理論言語学 / 語彙処理 / 生成文法 / コネクショニズム / 国際研究者交流 / アメリカ |
研究概要 |
研究代表者(酒井)を中心とする広島大学の研究グループ(玉岡、河原)は、複雑な単語を処理する言語機構の特性を解明するために、日本語の派生語と複合語を材料として形態処理の認知実験を実施した。派生語の実験では、他動詞から規則的に形成される動詞の可能形(例:「落とせる」)と、他動詞と意味的な対応がある自動詞(例:「落ちる」)をプライム刺激として、他動詞(例:「落とす」)の語彙判断に対するプライミング効果の強さを比較した。語彙判断を課すターゲット語をコンピュータ・スクリーンに視覚提示し、デジタル録音されたプライム語を聴覚提示するCross-Modal Primingと呼ばれる実験パラダイムを使用し、派生的に形成される動詞可能形は、独自の語彙項目として存在する自動詞と比較して有意に強いプライミング効果を示すという結果を得た(Morphology Lexicon Forum 2003で発表予定)。研究分担者による取り組みとして、酒井と小泉は複雑述語の統語的特性を捉えるモデル構築を目指して、日本語の複雑述語と主要部移動の関係についての理論言語学的研究に従事した(Linguistics and Phonetics2002において発表:明海大学)。牧岡はコネクショニズムに基づく言語処理モデルの構築に取り組み、研究の一部を日本英語学会第20会大会(青山学院大学)特別シンポジウム「言語の認知脳科学-現状と展望-」で発表した。玉岡と酒井は複合動詞に関するコーパス研究を実施した(第3回アジア辞書学会発表予定)。研究計画のレビュー及び専門的知識提供のため、Colin Phillips教授(University of Maryland)を招聘して、広島大学と九州大学で公開セミナーを実施した。
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