1 次年度の面接調査に備えるために、今年度は敬語研究文献の収集を行った。最近20年ほどの間に、敬語体系や敬語行動に関するたくさんの論文が書かれている。それらを収集し、この期間内の敬語の変化を概観しておくことは次年度の調査の実施および分析に不可欠のことである。 2 『国語年鑑』と『日本語教育年鑑』の1980年から2001年までの版を利用し、敬語に関する論文を抜き出し、データベース化した。 3 大学図書館でそれぞれの論文を捜し、コピーを1セットとって、収集した。 4 詳しい検討は、後日改めて行うが、この間には、敬語体系に関わるような大きな変化はないようである。 5 敬語行動に関しては、注目するべき変化が見られる。若者の敬語行動が(敬語に限らず、もう少し広い言語行動全般に関わることであるが)変わってきており、周囲の人とのつきあい方・関わり方などの変化として意識されている。敬語体系が変わらなくとも、このような面で敬語行動が変わっていくことで敬語の使い方の変化とでもいうべきものが観察されるようである。 6 今年度は敬語行動に関するだいたいの概観ができたに過ぎないが、次年度の面接調査への手がかりとしては十分であろう。
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