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2003 年度 実績報告書

文理解過程の実証的考察を通した統語理論の検証と対言語処理作業記憶機能のモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 14510629
研究機関目白大学

研究代表者

時本 真吾  目白大学, 人文学部, 助教授 (00291849)

キーワード統語解析 / 言語作動記憶 / ガーデンパス / 再解析 / 文理解 / 局所的曖昧性 / 言語心理学 / リーディングスパンテスト
研究概要

本研究は日本語文理解の過程を実験心理学的手法により検証し,実時間文処理における統語的制約の有効性を確かめ,また,言語作動記憶制約の文理解機序における位置づけを明らかにすることを意図したものである.
本年度は14年度に続き,様々な統語構造を持つ日本語文を材料に,解析・再解析の構造的要因と処理コストとの関係を実験的に明示し,また,先行入力から後続入力が統語的に予測可能な場合の処理速度と言語作動記憶個体差との相関を考察した.その結果,(再)解析コストは,文内意味単位の依存関係を内部的に表現する句構造標識上で,(1)非終端記号は終端記号からボトムアップに構築される,(2)節点間の支配関係破棄には付加的な処理コストが伴う,(3)(1)(2)の(違反の)効果は加算的である,と仮定することで,構文間差異をかなりうまく近似できることを示した.また,言語作動記憶の関わりについては,個体差の指標として日本語リーディングスパンテスト得点を用い,一般に言語処理能力が高いと評価される高得点者が(1)低得点者よりも正確な理解を実現する反面,処理負荷の高い再解析文については,より長い処理時間を費やす傾向があること,(2)統語的制約に基づく後続入力予測を必ずしも有効に活用していないことを示した.
さらに,再解析事態においては,null contextで文を提示する試行においても文脈が検索され,複数の解釈が検討されている可能性を示した.次年度以降の検討課題である.
本年度の研究成果は日本認知科学会第20回大会,ならびに日本心理学会第67回大会において口頭発表した.また,2本の欧文論文が海外の学術誌で審査中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 時本 真吾: "日本語複合名詞句構造処理における再解析コスト-言語作動記憶の個体差と統語的予測"日本認知科学会第20回大会論文集. 20. 198-199 (2003)

  • [文献書誌] 植月美希, 時本真吾, 佐藤隆夫: "再解析の有無に伴う日本語文処理コストの構文間比較"日本心理学会第67回大会発表論文集. 67. 896 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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