研究概要 |
1.平成17年7月、第9回International Pragmatics Conference(於:Riva del Garda, Italy)で、小野寺と慶應大学鈴木氏が企画してきたシンポジウム"Historical changes in Japanese : With special focus on subjectivity and intersubjectivity"を、パネリスト、ジョージア工科大・新里氏、東北大・Narrog氏、またディスカッサントStanford大・Traugott氏、東北大・堀江氏と行い、十分な意見交換と、聴衆の方も含めた活発な議論を行った。特に、subjectivity・intersubjectivity・subjectification・intersubjectificationについて、分野でも最も新しい考察がなされたと思う。 2.1のシンポジウムの成果を、単行本または専門誌の特集号として発表することを企画し、Journal of Historical Pragmatics(2007年8.2号予定)の特集号となることが決まった。4名の発表者とディスカッサント2名全員が、現在論文を執筆中で、準備を進めている。(小野寺・鈴木氏でguest editorsを務める。) 3.平成17年3月20日に社会言語科学会大会で「歴史語用論(Historical Pragmatics)という視点:日本語の研究例」の口頭発表(慶應大学・鈴木氏と共同)を行った後、学習院大・高田博行氏(ドイツ語史)より「英独日語の談話標識の歴史的発達」共同研究のご相談があり、これを承諾、3名で平成18年4月共同プロジェクトに着手する予定となった。海外研究協力者として、歴史語用論の創設者でもあるチューリッヒ大・A.Jucker氏に打診し、快諾を得た。 4.平成17年12月、日本語用論学会大会(於:京都大学)のシンポジウム『歴史語用論:その可能性と課題』(大阪大・金水敏氏による)に招聘され、「歴史語用論の成立と射程」を発表、関連分野の研究者と有意義な意見交換を行った。学会機関誌にも執筆予定である。 5.平成14年から17年の科研による研究のまとめの年にふさわしく、以上1から4まで、国内外の学会発表を通じ、他研究者と活発に意見交換、分野の周知にも努め、次第に幅広い範囲で活動できるようになってきた。
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