研究概要 |
本研究の目的は、英語のリズムパターン習得について異なる英語指導法を比較することと、長期にわたる留学におけるような言語環境がない状況で、短期間の発音訓練により英語のリズムパターンの上達がどの程度可能であるかを観測することである。特に今年度は、弱形の生成とストレスを担う内容語の生成について習得の順序、速度寸完成度の比較を実施し、学習効果の観点からの指導法の検討を行うこととした。 ストレスを担う内容語と弱形として生成される機能語における持続時間制御の上達度を測定し、日本人英語学習者のリズムパターン習得にどのような影響を与えるかを観測した。2種類の異なる英語授業(発音訓練のみを実施する授業と会話やプリゼンテーションを中心とした授業)を受講した学生を被験者とし、第1回目の授業時と受講4ヶ月後の音声資料を米語母語話者のデータと比較した。発音訓練の授業を受講した学習者のリズムパターンには機能語の持続時間制御における上達が観測された。また、機能語の持続時間制御よりも内容語の持続時間制御の方が、先に米語母語話者のパターンに近づく傾向にあることが観測され、リズムパターン習得における機能語の持続時間制御の困難度と重要性が示された。 米語母語話者の生成データは、弱形とストレスを担う内容語の両方の要素が生成パターンを形成していることを示した,母語話者と上記2グーループの日本人英語学習者のデータを比較し、伝達の手段としての英語学習という観点からはどちらの要素を第一の学習目標にするのが適切であるかについての検討、さらに効果的な指導法と教材の検討を実施した。
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