研究課題/領域番号 |
14510632
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菅田 茂昭 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (10063570)
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研究分担者 |
瀬戸 直彦 早稲田大学, 文学部, 教授 (30206643)
遠山 一郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (10120924)
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キーワード | 少数ロマンス語 / サルジニア語 / カタルニア語 / オック語 / ロマンス言語学 / 語形成 / 俗ラテン語 / 言語学 |
研究概要 |
平成11〜13年度の基盤研究(C)(2)いらいの研究課題である"少数ロマンス語"の現地調査に基づき、主要言語に片寄りがちなロマンス語の研究を見直し、新しいより充実した方法論の確立を日標としている。 研究代表者は、現地調査期間(9月5日〜10月10日)の前半において、本年度は少数ロマンス語のひとつとしてのアラゴン方言について、その一部をなすウエスカ地方のことばに残るといわれる古代イタリア半島のオスク語(地名ウエスカはオスク語に由来する)の影響の是非をめぐる論点を検討した。全地域にわたる調査ではないが、少なくともLa Puebla de Castro地点ではイタリア半島の中・南部方言と同様の現象(-ND-> -nn-,なおこの地域では-nn-> -n)を確かめることができたことを報告しておきたい。フランスのカタルニア語地域についてはその使用状況の調査を始めた。 後半におけるサルジニア語の現地調査では中部方言の合成語の採集を継続した。カリアリ大学ではサルジニア語研究の論点について検討し、その成果を本年度末に"サルジニア語についての再考"と題して国際シンポジウム(於Oliena)にて発表する予定である。なお語形成に関する研究は、"派生と合成のインターフェイス"と題し、第37回イタリア言語学会国際大会(於L'Aquila大学)にて発表する予定である。 本年度から、少数ロマンス語のひとつとしてのオック語についても11〜13世紀の抒情詩の研究者として知られる瀬戸直彦が加わり、原文との対訳と注からなる『トルバドゥール詩華集』(大学書林)が出版された。さらに今後は俗ラテン語についての研究(遠山一郎を中心とする)も加えられたことも併せて報告したい。
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