研究課題/領域番号 |
14510632
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菅田 茂昭 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (10063570)
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研究分担者 |
瀬戸 直彦 早稲田大学, 文学部, 教授 (30206643)
遠山 一郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (10120924)
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キーワード | 言語学 / ロマンス言語学 / 少数ロマンス語 / サルジニア語 / カタルニア語 / オック語 / 俗ラテン語 / 語形成 |
研究概要 |
平成11〜13年度の基盤研究(C)(2)を受け継ぎ、研究課題である"少数ロマンス語"の現地調査を発展させながら、主要言語に片寄りがちなロマンス語の研究を見直し、新しいより充実した方法論の確立を目標とした。 研究代表者は、現地調査期間(8月29日〜9月29日)の前半では、カタルニア語について、定冠詞が標準カタルニア語およびいわゆる主要ロマンス語ではラテン語のilleに由来する形式であるのに対し、バレアレス諸島の方言では、サルジニア語と同じくラテン語のipseに由来する形式である点に注目し、その使用状況の現地調査を試みた。たとえばPalma de Mallorcaでは、子音の前で男性単数・複数ともにes、女性単数sa、同複数sesである(それぞれサルジニア語のログドーロ方言のsu、sos、sa、sasに当たる)。ただし音声言語としてであり、文字言語では一般に標準カタルニア語が用いられていることを指摘する必要がある。 後半では、サルジニア語の現地調査を継続した。昨年度と同様合成語の採集をしながら、M.L.Wagner記念国際シンポジウム「サルジニアの言語と文化」(平成15年3月23日、於オリエーナ市)および早稲田大学・カリアリ大学共催の国際シンポジウム「サルジニアの言語と文化」(平成15年5月9日〜10日於早稲田大学)においてサルジニア語の特質について発表した二つの論文の内容について現地の学者たちとさらに検討した。 なお、本年度は日本ロマンス語学会第41回大会(5月24日、於東北大学)において、平成14年度までの海外調査の成果報告(2004年5月発行の日本ロマンス語学会「ロマンス語研究37」に掲載予定)を行ったことも付け加えてておきたい。
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