研究課題
基盤研究(C)
本研究は、主として以下の5点について成果をあげた。1.普遍的語順について、関係節をターゲットとした実験結果を統合的に考察し、成果を国際会議Linguistics and Phonetics 2002(9月2日〜6日)で口頭発表し、内容を拡充し、Proceedings of LP 2002に掲載した。具体的には、日米児の実験結果の比較および日本児が産出した誤りの分析により、日本語の関係節構造が移動ではなくproを含む構造であることを明らかにした。2.日英語の移動に関わる側面について、従来行ってきた研究を統合的・理論的に検討し、次の2点を明らかにした。(1)他の条件が同一であれば、移動がある言語より移動がない言語の方が早期に獲得される。(2)移動のある言語では、最小要素の移動を含む構造の方が、より大きな移動を含む構造より早期に獲得される。この成果は、日本英文学会中部大会(2003年10月18日〜19日)のシンポジウムで口頭発表し、その内容を『金城学院大学論集』(第45号)に掲載した。3.自無言語における中核的演算「併合」を単一の演算ではなく、「連結」と「投射」という2つの操作の組み合わせと捉える観点から二語文を再分析した。子どもがまず連結操作を使用し、その5〜6ヶ月後に初めて投射操作を使用することを明らかにした。この成果はWorkshop on Evolution and Syntax(2004年9月8日〜9日)で口頭発表し、その内容を大幅に拡充し、『金城学院大学論集人文科学編』(第1号)に掲載した。4.1997年5月〜2001年1月に収集した日本女児2名のデータ84セッション分のうち、未整理分について、56セッション分の文字化、52セッション分のコンピュータ入力が終了した。5.2002年11月より収集開始した日本男児1名のデータを、33セッション分収集した。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (8件)
金城学院大学論集(人文科学編) 1・1/2
ページ: 35-46
Kinjo Gakuin Daigaku ronsyuu (Zinbun kagaku hen) 1.1/2
金城学院大学論集(英米文学編) 45
ページ: 187-211
Kinjo Gakuin Daigaku Ronsyuu (Eibei bungaku hen) 45
Proceedings of LP2002 On-Line (http://www.adn.nu/〜ad31375/lp2002/lp2002main.htm)(Shosuke Haraguchi, Masahito Watanabe ed.)
Viva Origino 31・2
ページ: 86-97
Proceedings of LP2002 On-Line (http: //www.adn.nu/~ad31375/lp2002/lp2002main.htm) (Haraguchi Shosuke, Masahito Watanabe ed.)
Viva Origino 31.2