研究課題/領域番号 |
14510639
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島途 健一 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (70128429)
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研究分担者 |
鈴木 道男 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (20187769)
志柿 光浩 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60215960)
山下 博司 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
佐藤 雪野 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (40226014)
藤田 恭子 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (80241561)
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キーワード | マイノリティ / 差別と共生 / 多文化・多民族問題 / アイデンティティ / 現代文学 / 言語の選択 / 重層性 / ジェンダー |
研究概要 |
多民族・多文化・多言語社会が現実化している諸地域において、マイノリティに属する作家・詩人群に着目し、その言語選択と(複数)言語使用・表現活動にまつわる(内的および外的)諸問題を、マイノリティ集団内部の重層的諸要因(ジェンダー、階層、言語意識、アイデンティティ意識等)との関連から多角的に検証した。 具体的には:(1)トルコ出身のドイツ語作家サリハ・シャインハルトの作品を分析し、ドイツに移住したトルコ人女性がアイデンティティの危機に直面する様相を分析した。合わせて、現実的・政治的問題から文学作品が生じる経緯を追跡し、従来暗黙のうちに文学作品の前提条件とされてきた要件を超える作品のあり方を検証した。 (2)現代インドにおける伝統思想のあり方を検証し、一層錯綜し分裂しつつあるマイノリティ構成員の内的・外的存在様態を明らかにした。 (3)女性作家の視点から見たルーマニア・ドイツ系マイノリティ文学に関して、ドイツ連邦共和国のミュンヒェンとアウクスブルクにおいて文献調査およびヒアリング(インタビューによる文献調査の補完)を実施し、得られた資料の整理・分析を行った。 (4)19世紀ブコヴィナでドイツ語文化に接触したことを契機にドイツ語詩人として詩作活動を行ったルーマニア人およびウクライナ人詩人たちについての研究を進め、ローゼ・アウスレンダーをはじめとするユダヤ系ドイツ語女性詩人の作品分析に取り組んだ。 (5)広くヨーロッパに存在するマイノリティであるロマについて、そのアイデンティティと呼称をめぐる問題ならびに差別や差別語の問題を多面的に検討した。
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